「ダイバーから猛毒持ちで危険扱いされている」フクロウニ科の仲間。
そんなイイジマフクロウニのどこに毒を備えているのかなどについて書いてみました。
イイジマフクロウニの生態情報
分類
フクロウニ目
フクロウニ科
学名
Asthenosoma ijimai
Yoshiwara,1897
大きさ(殻径)
~13cm
生息地・生息域・分布域
九州南端
小笠原諸島~相撲湾
※日本海側でも発見例あり
生息水深
8m~120m
豆知識
スノーケリングや磯観察で浅場で生きもの探しをしていると出会ったことがなく、同じ場所の岩礁地をダイビングで潜ると出会えることが多いので「浅場は苦手」なのかなと考えています。
「海綿(カイメン)などの付着生物を摂食」する。
背中側(反口面)の棘に毒がある!?
イイジマフクロウニには背中側(反口面)と腹側(口面)に違う棘が生えていまして、ダイバーが危険視する「猛毒は背中側(反口面)にある黒くてフサフサしている棘」にあります。
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背中や側面(赤道面)にワサワサ生えていますね。
腹側にある白くて長い棘は動きを観察してみると、どうやら歩くときに役立てているみたいです。
毒がある棘を拡大して見てみよう♪
この棘の中に「猛毒が入っている毒嚢(どくのう)」があります。
毒を入れている容器のようなもの。
しましま模様がオシャレ♪
正しくキレイなバラには棘がある!ですね。
猛毒で起きる体の症状!?
イイジマフクロウニの毒の強さはかなりのもので、「毒針に刺されると強い痛みが発生する」と言われています。
強い痛みが発生する。
患部が発赤し、大きく腫れる。
しびれやマヒをともなう。
ショック症状を引き起こす。 など
この様な症状が出る危険性がありますので、「決して素手でさわわずに適度な距離感を守って観察」してみてね。
ウニなのに殻が柔らかい!?
ウニは固い殻に守られている印象が強いですが、イイジマフクロウニを含む「フクロウニ科の仲間のウニ殻は柔らかいらしい…」
ですので、フクロウニ科の仲間のことをヤワラウニと呼ぶこともあると、葛西臨海水族園の飼育員さんが書かれたブログ記事やウニハンドブックに情報が載っていました。
柔軟性があり革袋のような手触り
ウニハンドブック
(著)田中颯
実際にさわって柔らかさを確かめてみたいけれど、毒が怖くてさわれない…
なんちゅういやらしい生きものなんだ!
あぁ~、気になってしかたがない(笑)
「イイジマフクロウニ」ダイビングで出会えるウニ図鑑 猛毒持ちで柔らかい!?
☆今回お伝えしたかったこと
【イイジマフクロウニの生態情報】
分類、学名、大きさ(殻径)など
【毒はどこに持っているの!?】
背中側にあるふさふさの棘
【猛毒に触れたときの症状は!?】
腫れ、痺れやマヒ、ショック症状など
【ウニなのに殻が柔らかい!?】
柔軟性があるらしい
イイジマフクロウニは猛毒を持っていますので、適度な距離感を守って観察してみてねー
参考文献
ウニハンドブック
田中颯・大作晃一・幸塚久典 著