こんにちは、なぎさひろい(@nagisahiroi)いのこです。
今回は、ウニの赤ちゃんや浮遊珪藻(ふゆうけいそう)を育てるために必要な「過熱して滅菌をした飼育用海水」を作ってみました。
※後半に動画でも紹介しています。
なぜ海水を滅菌する必要があるの!?
主な理由は2つあります。
1つ目が「目的の生きものだけを増やすため」
天然の海水中には「多種多様な目に見えない大きさの生きもの達が棲んでいます」ので、植物プランクトンの仲間である浮遊珪藻だけを増やすためには滅菌をしてあげないと「浮遊珪藻以外の生きものが繁殖してしまう可能性がある」からなんです。
2つ目が「他の生きものから守るため」
僕が初めて育てたときに一度だけ「濾過をして滅菌作業をしていない天然海水」を使ったことがありました。すると、ある日、バフンウニの赤ちゃん(プルテウス幼生)の周りに「小さな生きものたちがうごめいているのを発見」しました。「なんだこれ?」と思い、仕事が終わったら水換えをしようと自宅に戻ってから確認をしましたら「プルテウス幼生達は跡形もなく姿を消してしまいました」。(たぶん、食べられてしまったのではないかと…)ごめん、本当に申しわけないことをしてしまった。ですので、「他の生きものたちに襲われないように滅菌」をしています。それからは、無事に育っています。
浮遊珪藻もウニの赤ちゃんも、濾過だけではなくて滅菌もすることで育ちが順調にいきましたので、やはり滅菌が何よりも大切なんだと実感しました。
滅菌に使用する道具一覧!?
①はかりようの容器
滅菌する海水の量を調べます。僕は三角フラスコを使いますが、ビーカーやペットボトルなどでも代用できます。
②濾過用のフロート
滅菌する前に、ゴミなどを除去するために使います。
③海水入れ
滅菌する天然海水を入れておく容器です。
④滅菌後の海水入れ(耐熱)
滅菌した天然海水を冷やして保管するための耐熱容器です。
⑤温度計
80℃で滅菌をするので、温度を調べるために使います。
⑥その他
小型ビーカー、キッチンスケール(0.1g単位)、スポイトは浮遊珪藻を増やすときにKW21などの栄養剤を一緒に入れて滅菌するのですが、その栄養剤の量をはかるときに使います。
天然海水の滅菌作業手順
それでは、ここからは作業手順をご紹介していきますね。
天然海水の濾過
まずは、はかりようの三角フラスコの上に濾過用のフロートを載せまして、
天然海水を濾過していきます。
「滅菌する前に可能な限り不純物の少ない状態」にしておきたいですからね。
熱して滅菌(80℃・20分)
濾過をしましたら次は熱して滅菌します。
使用している鍋は「サビに強いステンレス製」です。
本当は手に入ればチタン製が1番なんですけどね。
近所のホームセンターには取り扱いがなかったのでステンレス製にしました。
熱するときの最大の注意点は「沸騰させない」こと。
沸騰をしてはいけない理由はおそらく「沸騰をさせてしまうとミネラルなどの成分が壊れてしまう可能性があるから」ではないかと。
ですので、沸騰しないように「弱火でじっくりコトコト煮込む」のがおすすめです!
滅菌する時間と温度は「80℃ / 20分」です。
僕の場合は、ガス火で80℃を維持するのは難しいので、弱火で82℃まで熱しましたら火を止めて余熱で滅菌、78℃まで下がりましたら弱火で82℃まで再加熱をして滅菌作業を繰り返しました。
耐熱容器に入れて冷ます
滅菌後は、耐熱容器に入れて熱を冷ましたら完了です。
天然海水の滅菌作業まとめ
【滅菌作業の内容や注意点】
加熱温度→80℃
滅菌時間→20分
必ず「沸騰はさせない」こと。
【濾過・滅菌を行う2つの理由】
「目的の生きものだけを増やす」ため
「他の生きもの達から守る」ため
浮遊珪藻やウニの赤ちゃんを育てるときには手間はかかりますが、「必ず濾過・滅菌した海水」を使ってみてくださいね♪