こんにちは、なぎさひろい(@nagisahiroi)いのこです。
僕の大好きな福井県越前海岸のうみ(日本海)
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ここで出会える海藻/海藻の仲間の1種「ヒラワツナギソウ」は青く輝くとてもきれいな海藻で大好きです。
ですが、ヒラワツナギソウが持つ本来の色は赤茶色なんです!!
なんで実際とは異なる色に見えるのか?
ヒラワツナギソウの不思議な特徴について書いてみました。
ヒラワツナギソウの生態情報
『分類、学名、大きさ、生息地・生息域・分布域、豆知識』
分類
マサゴシバリ目
ワツナギソウ科
学名
Champia bifida
大きさ
5cm~10cmほど
※大きさは高さ
生息地・生息域・分布域
日本中部・南部
瀬戸内海
潮下帯
豆知識
輪状模様があり、触るとやわらかくてぬるぬるしている。
春~秋の水温が温かい時期によく見られる。
「アメリカに生息する蝶」と色彩が似ている?
ヒラワツナギソウを海中で見るとこんな感じ!

遠目からでもハッキリと分かるくらい存在感がありますね!
もう少し近くに寄ってみましょうか。

青色が濃く、紫色に見える部分もありますね。
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もぅ…ずっと眺めていたい…
なんでこんなにも美しいのだろう?
この青く輝く色合いがモルフォチョウ(アメリカに生息する大型のチョウの仲間)と似ていることから「うみのモルフォチョウ」と呼ばれることがあります。
ヒラワツナギソウの色が変わる様子を動画で見てみよう♪
青色から赤茶色へ交互に色が変化する様子が面白いので、ヒラワツナギソウを見つけるとついつい観察してしまいます
色が変化する理由はシャボン玉と同じ原理!?
ヒラワツナギソウの色が変わる理由について調べていたところ『構造色』が関係する記事を見かけました。
細かくは僕も理解していないのでざっくりと説明をしますと、シャボン玉やCD・DVDを思い浮かべてみるとわかりやすいです。太陽や蛍光灯などの光がシャボン玉やCD・DVDに当たると虹色に見えるなど、カラフルに色づくことがありますよね。それが構造色です。
そのものの構造と光の波長がコラボ=干渉(かんしょう)することで色づいて見えるとのこと。
なので、僕はヒラワツナギソウも構造色なんだなと思っていました。
でも、それならなんで陸上にあげると色が変わらなくなるの? と疑問に思い、ワツナギソウについて書いてある論文を他にも探してみると違う理由も見つかりました。
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それは構造色ではなく、光合成で蛍光しているとのこと。
(参考:色や姿の美しい海藻と変った姿の海藻)
現在、ヒラワツナギソウの青色は「蛍光により見える色」ではないことが確認されましたので「構造色」と考えられています。
光合成の余ったエネルギーで発光!?
ヒラワツナギソウのように色が変わる海藻は他にも数種類確認されています。
ワツナギソウ、ウスバワツナギソウ、アヤニシキ、シワヤハズ、カギイバラノリなど
この子たちは太陽光を浴びて光合成を行いエネルギーを作り出すんですけど、作り過ぎて余ってしまったエネルギーをぽいっと体外へ放出するときに発光をするみたいです。
だから、海水から外に出すと光合成が出来なくなるために発光が出来ず、元の茶色っぽい色になるとのこと。
「ヒラワツナギソウ」ダイビングで出会える海藻/海草図鑑 色が変わる不思議な海藻!?まとめ

★今回お伝えしたかったこと
1.ヒラワツナギソウの生態情報
学名、大きさ、生息地など
2.アメリカに生息する蝶との共通点
3.色の変化を動画で観察
4.構造色説vs発光説
はたして本当は『構造色』『発光』のどっちなんだろう?
でも、こういう謎があるからこそ、うみの生きものたちへの興味は尽きないですね。
面白いなー
参考文献
田中次郎、中村庸夫
基本284種「日本の海藻」 2004
株式会社平凡社