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浮遊珪藻(キートセロス・グラシリス)の「培養・植え継ぎ・元種維持」

こんにちは、いのこです。

ウニの赤ちゃん(プルテウス幼生)を育てるために必要不可欠なエサ「浮遊珪藻の培養」についてまとめてみました。

目次

海水の準備

海水を準備するには「天然の海水」と「人工海水」のいずれかを利用します。

人工海水を使用する場合の作り方

人工海水は、アクアショップなどで販売されている「海水の元」を購入することで作ることが可能なので1番お手軽な方法になります。

●人工海水を使用する注意点
使用する海水の元やミネラルウォーターによっては「発生が上手く進まないことがある」との報告がありますので、購入される際に組み合わせに気を付けましょう。

おススメの海水の元を載せていきますね。

メーカー商品名
Red Sea
レッドシー
RED SEA SALT
レッドシーソルト
大阪薬研株式会社マリンアートSF-1

人工海水の比重は「1,022~1,024」の間がおススメです。

天然海水を使用する場合のろ過方法

バフンウニの一生「浮遊珪藻の培養」

「蒸留水や市販のミネラルウォーターに海水の元を溶かした人工海水でも飼育することは可能」なのですが、天然海水を使用することも可能です。

ただし、不純物が多く含まれますので人工海水よりも念入りな「ろ過・滅菌」が必要不可欠になります。

●天然海水を使用する利点
使用する人工海水やミネラルウォーターによっては「発生が上手く進まないことがある」との報告があり、発生不全を防ぐため。

●ろ過の手順について

ろ過にはナイロンメッシュ素材のハチミツフィルターを使用しています。

ある程度の不純物を取り除けるものであれば問題ありません。

滅菌作業の手順確認

滅菌作業は「湯銭滅菌」と「加熱滅菌」の2つの方法があります。

滅菌する温度や時間の目安は「約80℃で20分」です。

湯銭して滅菌を選んだ場合

(ガラス製のフラスコなど)耐熱性能の高い容器に滅菌用の海水を入れ、熱湯入りの大きめの鍋を利用して湯銭します。

過熱して滅菌を選んだ場合

80℃20分で天然海水を滅菌

約80℃ をキープしながら20分間滅菌します。

天然海水滅菌の様子

焦らずに「弱火でじっくりコトコト」煮込んでいきましょう。

詳しくは下記記事内にもまとめています。

●沸騰にご注意を!
「グツグツ」と沸騰させてしまうと「天然海水に含まれる成分の割合が変化する」可能性があります。なので必ず「沸騰はさせない温度を守る」こと。

浮遊珪藻の培養セット内容

バフンウニの一生「浮遊珪藻の培養」
培養セット内容

①滅菌海水
②培養槽&酸素キット
③浮遊珪藻の元種
④メタケイ酸ナトリウム
⑤KW21

バフンウニの一生「浮遊珪藻の培養」

用法・用量を守って培養槽に入れていきます。

理科の実験みたいでワクワクしちゃいますね 笑

内容分量/液量
滅菌海水300ml
メタケイ酸ナトリウム
(栄養の元)
耳かき1杯
KW21
(栄養の元)
0,3ml
元種5ml
元種の量は増やしてもOKです♪
バフンウニの一生「浮遊珪藻の培養」

全部投入した後は、24時間休みなくガンガン照らして待つのみ!

「茶色が日に日に濃くなっていけば培養成功」になりますびで、色の変化を楽しみながら観察を続けていきましょう。

培養開始から3~4日後に起きた変化

浮遊珪藻の培養が順調に進んでいると「麦茶のように茶色が濃く」なってきますので「植え継ぎ」を行います。

新しい容器に「滅菌海水・栄養素・培養して濃くなった珪藻水」を同じ流れで投入して培養を始めていきましょう。

管理水温によって「濃くなる(=植え継ぎ可能になる)までの期間に変動」があります。

左から「培養開始→2日目→4日目以降」

それぞれ横並びにすると色が変わっていく変化が分かりやすいですね。

ちなみに、僕のように浮遊珪藻を多く必要としない場合は、エアレーションを使用しない「静置培養」で元種を維持していく方法もあります。

静置培養で元種維持

無事に培養が順調に進みまして必要量が確保できましたら元種を絶やさないように静置培養でも管理」していきます。

静置培養での元種維持方法について

「植え継ぎをした薄い状態」で管理。

2日に1回は「容器を振って攪拌」。

浮遊珪藻(キートセロス・グラシリス)の元種維持方法「静置培養」
植え継ぎした薄い状態

静置培養(=エアレーションがない状態)では「徐々に増えていきますので長期保存に向いています」。

エアレーションをしている場合ほど、濃くはならないとのこと。

浮遊珪藻(キートセロス・グラシリス)の元種維持方法「静置培養」
「静置培養に切り替えた」浮遊珪藻

今後は「静置培養で元種の年間維持」を目標にして、水温管理など環境作りを始めていきます。

(夏場の水温管理が大変そうだな~)

水温管理について

浮遊珪藻の培養で最も大変に感じるのが「水温管理」です。

●夏場が危険
特に「高水温」になりやすい夏場の対策を怠ると浮遊珪藻が死んでしまいます。

なので、僕は成体や稚ウニを飼育している水槽内にフラスコを設置して、まとめて「水槽用クーラー」を使用しながら温度管理を行っています。

稚ウニや成体の飼育も視野に入れている場合は、上記の方法が簡単なのでおススメです。

培養に最適な容器のおススメ

個人でも比較的準備が簡単セット

個人でも用意が簡単な培養セットを見つけましたのでご紹介します。

メーカー名/商品名容量/個数
HARIO製
ガラスフラスコ
300ml
ペットボトルのキャップ1個
エアーチューブ適量
エアーストーン1個
エアークランプ1個

500mlペットボトルキャップに加工(穴あけ)を行い、エアーチューブを通してストーンとクランプを取り付けます。

キャップには必ず「過剰空気排出用の穴」も開けてください。

開け忘れるとエアーチューブ内に海水が逆流しますので要注意です!

加工したキャップセットを300mlフラスコに入れると気持ち良いくらいにシンデレラフィット♪

これで「エアレーションをしても蒸発を可能な限り防ぐことが可能」になると思われますのでおススメです♪

ちなみに、500mlに使用するとフラスコの口径が大きくてスカスカです 笑

ご用意できる方はペットボトルよりもフラスコの方が「使用後の洗浄が楽」になりますのでおススメです♪

こだわり派にもおススメセット

最新版のおススメセットをお伝えしますね。

メーカー名/商品名容量/個数
HARIO製
ガラスフラスコ
300ml
または
500ml
アズワン製
穴あきシリコン
1個
エアーチューブ適量
ガラス管1本

使用方法は簡単で「穴あきシリコン」にカッターで切り込みを入れてガラス管を通すだけ。

最初から穴が3ヵ所用意されていますので「過剰空気排出用の穴を作る手間も省略」できます。

さらに、フラスコの出入口を密封することも簡単なので「空気中に漂う不純物の浸入を防ぐ」ことが容易になり長期維持に最適です。

バフンウニの一生「浮遊珪藻の培養」

ウニの幼生を飼育するには浮遊珪藻が必要不可欠になります。

なので、ぜひ一緒に「さらなる培養の簡略化や長期維持」を目指して挑戦していきまましょう!

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バフンウニの一生「浮遊珪藻の培養」

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