こんにちは、(@nagisahiroi)いのこです。

今回は「2024年の冬季から『大瀬崎の湾内(静岡県西伊豆)』に大群でやってくる」深海性のフグ科「ホシフグ」について一緒に観察していきましょう♪
学名 | Arothron firmamentum |
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分類 | フグ目 フグ科 |
大きさ | ~45cm |
出会えたうみ | 大瀬崎/ビーチ/静岡県西伊豆 |
出会えた水深 | ~18m以浅 |
出会えたうみ遊び | ダイビング |
午後から集まる謎の集団

『ホシフグなら14時以降が狙い目ですよ!』
現地施設スタッフからの情報を頼りに大瀬崎ビーチの湾内でホシフグ達と会ってきました。

大瀬崎では「2024年の10月頃」から目撃情報が増え始めたホシフグは「フグ科魚類の中では最も深い水深『100m~400m』に生息する」深海性のフグの1種になります。

午前中でも会うことは可能なんですけど、午後14時以降、特に(日没後に潜る)ナイトダイビングでは「ホシフグ玉」と呼ばれるくらい密集した群れが出迎えてくれます♪
深海を好むフグが浅場に来る理由とは?

ホシフグが現れるようになってからダイバー間で『産卵に来ている?』など、浅場にやってくる理由についての考察をお聞きすることがありましたので僕も調べてみました。

参考にした情報源は2つ「市立しものせき水族館『海響館』(山口県下関市)のブログ」と「トカラ列島臥蛇島沖で観察されたホシフグの繁殖行動,2017(福井美乃・本村浩之)」。
2023年1月18日,海響館でも山口県日本海側の定置網で一度に大量に入ったホシフグを入手しました.生きてはいますが,かなり弱っている個体が多い印象です.水族館に持ち帰ったのですが,死亡した個体も多くいましたので,解剖して少し調べてみました.
調査したホシフグは20個体で体長,体重,生殖腺重量,性別の確認を行いました.結果は,平均体長140.35 mm(131.1–148.7 mm),平均体重66.9 g(52–90g),平均精巣重量0.07 g(0.04–0.10 g),平均卵巣重量0.28 g(0.19–0.46 g)でした.
福井・本村(2017)では,ホシフグが鹿児島県トカラ列島の臥蛇島沖で群れ産卵をすることが報告されています.その報告では11月17日に,体長140.8–155.6 mmの個体が得られており生殖腺重量は記載されていないものの,精巣卵巣共によく発達していたとされています.しかし,今回山口県で得られた個体は,同程度の大きさの個体であったものの,生殖腺はとても発達しているとは思えない状態でした.これらのことから,日本海側での群れ行動は産卵とは無関係の現象であると考えられます.
市立しものせき水族館『海響館』
No.014,ホシフグ
https://www.kaikyokan.com/cms/cp_sealife/no-014fugumaniahoshifugu/

●大瀬崎のホシフグ情報
①2024年10月頃から目撃情報あり。(2025年1月下旬も継続中)
②産卵行動の目撃情報はなし。
以上のことから、出没期間が(現在3ヶ月経過と)長いので「産卵行動では無い」可能性が高いと考えています。
とすれば、どんな理由があるんだろう?
しかも、ずっと居るわけではなくて「毎日(夜から早朝の間に)どこかへ移動して昼過ぎから集合する」ので、余計に気になって好奇心をくすぐってきますね。
名前の由来は「体にある多数の白色点が星のように見える」から

群れからはぐれて水底に横たわるホシフグが居たので観察してみます。

ホシフグの体には全体に白色の斑点模様が浮かび上がっています。

この模様が「星のように見える」ことから「星を持つフグ=ホシフグ」とのこと。

なので、ナイトダイビングで群れと出会えば正に「暗黒海に輝くホシフグ流星群」ですね!
ホシフグ以外にも「星空」の名前が付くフグ科の1種と言えば「アマミホシゾラフグ」が思い当たりますけど、他にも星空に関係するフグ科は居るのかな~
エサは甲殻類が好きみたい♪

湾内を泳いでいると「やたらと甲殻類の死骸が落ちている」ことが気になりました。

これはどうやら「ホシフグ達の排泄物」らしい。
と言う事は、一旦、浅場から居なくなるのは「エサを求めて移動する」ことが関係しているのかも。













出会えたうみ | 大瀬崎/ビーチ/静岡県西伊豆 |
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狙い目の時季 | 10月~?月 いつまで居てくれるのかな~ |
出会えた水深 | ~18m以浅 |
出会えたうみ遊び | ダイビング |
まだまだ未知なことが多くて気になる存在「ホシフグ」のことが気になりましたらぜひ、一緒に会いに行きましょう♪
参考文献
①市立しものせき水族館『海響館』
No.014,ホシフグ
https://www.kaikyokan.com/cms/cp_sealife/no-014fugumaniahoshifugu/
②福井美乃・本村浩之 著
「トカラ列島臥蛇島沖で観察されたホシフグの繁殖行動2017」
https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/staff/motomura/2017_05_Hoshifugu.pdf
③岡村収・尼岡邦夫監修
「日本の海水魚」1997
株式会社 山と渓谷社