こんにちは、なぎさひろい(@nagisahiroi)いのこです。
僕の大好きな福井県越前海岸(ログ前)で水温15℃以下の3月~5月上旬ごろにダイビングをすると出会える可能性が高い小さなうみのアイドルがいます。
それが、今回お伝えするサクラダンゴウオです。
サクラダンゴウオの生態情報
『分類、学名、大きさ、生息地・生息域・分布域、豆知識』
分類
カサゴ目
ダンゴウオ科
学名
Eumicrotremus uenoi
大きさ
~2cmほど
生息地・生息域・分布域
山形県~兵庫県の日本海沿岸
朝鮮半島南東岸
(沿岸の浅い岩礁地)
豆知識
低水温(~15℃)が好み。
水温15℃を越えると徐々に目撃数が減っていき浅場から姿を消す。
ダンゴウオ(太平洋側)との違いは、眼窩間および眼窩下の孔の有無などに違いがあるとのこと。
昼間はかくれんぼの天才!?
昼間に出会うサクラダンゴウオたちは擬態がとにかく上手い。
多くの外敵が活動しているからなのかな?
成魚はエツキイワノカワ(赤い海藻)の上にちょこんと居座っていることが多いのですが、びっくりするくらい景色に溶けこんでいます。
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まさに海藻と一体化!?
隠れる技術に脱帽・・・
ほんとガイド泣かせな子です。
上から見ると本当に擬態が上手いんだな~と感じますね…
幼魚の居場所と大きさは!?
天使の輪っかがある幼魚はカジメ(黄色っぽい海藻)に居ついていることが多く、さらに大きさも2mmほどと極小なので成魚よりも見つけづらいんです。
だって、こんな大きさなんですよ!?
(人差し指と大きさ比較)
幼魚探しは吐きたくなるくらいに苦手です…
でも、見つかったらめっちゃテンション上がるしかわいいんですよねー♪
だからこそ見たくなる気持ちがすごくわかりますので、毎回紹介が出来るようになりたいな。
お腹の吸盤でピタッと張り付きます!?
波やうねりの影響でぐらぐらと揺れている海藻の上でも流されることなくピタッと貼り付いているダンゴちゃん。
なんで流されないの?
どうやってくっ付いているの?
その答えはお腹にありました。
なんと、サクラダンゴウオのお腹を見ると…
見事までに気持ち悪い吸盤が(笑)
見てはいけないものを見てしまった気分…
でも、この吸盤があるからこそ波やうねりに負けることなく厳しい自然界を生き抜いてこれたんですね。
ダンゴウオの仲間が編み出した究極の生き抜く武器の1つです。
(撮影場所:名古屋港水族館イベント水槽)
夜は筋肉質なゴツゴツちゃん!?
夜に出会えるサクラダンゴウオは昼間(=明るい)に出会える子達よりも大きいので見つけやすい。
そして、なぜか「昼間はツルっとした子が多いのに夜に出会う子はほぼ筋肉質?なゴリゴリマッチョさん」なんです。
(筋肉質?ぽっちゃり体型?)
昼間とは違う生きものに感じますね。
夜に潜るナイトダイビングでゴツゴツダンゴに会いに行ってきましたので、気になった方はこちらもご覧ください。
水温が高くなるとどうなるの!?
ダイビングで出会える時期は冬から春。
ダンゴウオは夜行性なのか、夜の方が見られる頻度が多く時期も長いです。
‹昼間›
15℃を超えてくると徐々に減っていく。
‹夜間›
20℃を超えてくると徐々に減っていく。
※越前海岸で潜りながら感じた情報になります。
ダンゴウオを飼育されているアクアリストの方たちの話を聞くと「20℃を越えると餌の食いつきが悪くなるなど、元気がなくなるように見える」との意見がありました。
越前海岸で見られる野生の子も20℃を目安に徐々に出会える頻度が減っていきますので、「20℃がキーポイント」なのかもしれませんね。
そして、図鑑情報によると「海水温が上昇していくとダンゴウオは深海の方(冷たい水温)へ移動をしていく」とのこと。
(と言う事は、夜の大人ダンゴがゴツゴツ体系なのは深海への大移動のために体力を蓄えているのかな?)
(どうなんだろう?)
うーん、気になります!
「サクラダンゴウオ」ダイビングで出会えるサカナ図鑑 お腹の吸盤で生き残りました!?まとめ
*今回お伝えしたかったこと
分類、学名、大きさなどの生態情報
昼間はかくれんぼの天才!?
成体→エツキイワノカワ、カジメ
幼魚→カジメ
お腹に吸盤がある!?
夜の姿は昼間と違う!?
20℃がキーポイント!?
ぜひ冬~春ごろにダイビングされるときは、かわいい低水温のうみのアイドルを探してみてくださいねー
参考文献
日本の海水魚
吉野雄輔
監修/瀬能宏