こんにちは、(@nagisahiroi)いのこです。
今日は、ウニ殻にハマるキッカケになった思い出深い「コシダカウニ」について一緒に観察していきましょう。
生態情報
「分類、学名、大きさ、生息域、出会えたうみ」
分類 | 正形類 カマロドント目 サンショウウニ科 |
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学名 | Mespiliaーglobulus (Linnaeus, 1758) |
大きさ | ~4cmほど |
生息域 | 南西諸島以南 |
出会えたうみ | ログ前ビーチ/福井県越前町 富戸ビーチ /静岡県東伊豆 |
出会うコツは「岩礁上の違和感を探す」!?
コシダカウニは外敵に見つからないように「体表に海藻を貼り付けて身を隠しながら」岩礁上を歩いています。
なので、出会うコツは「岩礁上を観察して違和感を見つける・感じる」こと。
右上の方に生い茂っているピンク色の海藻類が「1ヶ所だけ違う場所に生えている(黄色矢印)」ことが気になってきませんか?
これが、僕が伝えたい違和感です。
と言うことで違和感に近づいてみたいと思います。
すると、海藻の影から「何もいませんよ~」と言っているような仕草をしているコシダカウニと出会えました。かわいい…
まるで「うみの妖精」さんですね。
他にもこんな所にいるよ♪
岩礁上だけでなく「海藻/海草類の上に隠れている」こともあります。
隠れ方はコシダカそれぞれ!?
コシダカウニには「隠れ方に性格がある」ように感じます。
さっき紹介した子は「海藻を帽子」のようにしていましたので、上から観察すると見つけにくかったと思います。
ですが、こちらの子は正直バレバレ 笑
僕が1番身近に感じている越前海岸(福井県)のうみでは、ピンク色の海藻がコシダカウニ達に人気なのか体表に貼り付けている状態を見かけることが多いのですが「ガッツリ貼り付けて身を隠す子もいれば、申し訳程度にちょっとつけているだけの子もいます」。
なので、几帳面だったり大雑把だったり、なんだか性格があるように感じますね。
ちなみに、水槽で飼育しているコシダカウニにも性格を感じることがありまして、
アイキャッチ画像の子のようにアオサ類(海藻)をお尻の上にのせて水槽内のお散歩に出かける子もいれば、
体の上も下も包み隠して移動も少なめな子もいます。
外敵のいない水槽内で飼育をしていても「野生の子達と性格や行動は変わらない」みたいですね。
「棘を見る」
トックリガンガゼモドキとの意外な共通点!?
こちらが「コシダカウニの棘」になります。
色彩豊かでオシャレな印象ですね。
僕が気になったのが「棘を包んでいる膜」のようなもの。
これ、トックリガンガゼモドキと似ているんですよ。
トックリガンガゼモドキの棘
ほら、似ていませんか?
コシダカウニは「カマロドント目」
トックリガンガゼモドキは「ガンガゼ目」
それぞれ違う種類なのに似たような共通点があるところに「同じウニの仲間」なんだな~と感じれてうれしくなりますね♪
トックリガンガゼモドキについて気になった方はこちらをご覧ください。
管足を見る
透明で美しい管足を全身から伸ばしながら動いています。
「棘が短い」種類(サンショウウニなど)によく見られる行動ですね。
うんちを見る
コシダカウニのうんちは海藻色。
ウニ殻を見る
こちらが「ウニ殻集めを趣味にすると決めたキッカケ」になった思い出深いコシダカウニの殻になります。
コシダカウニは「生きているときも死んでしまって殻になってからもオシャレなウニ」ですよね。
稚ウニを見る
ヨコバマ/5m付近の転石下
2024年3月に潜った富戸ビーチ(静岡県東伊豆)で、コシダカウニと思われる小さな子と出会えました。
この大きさなら生まれたのは「去年の秋~冬あたり」なのかな?
コシダカウニの繁殖シーズンが不明なので、出会えた子の大きさから時期を特定していきたいな。
コシダカウニの謎「かみ合わせ」
最後に「コシダカウニについて気になっている謎」をお伝えしますね。
何故か口の動きを観察していると「かみ合わせが悪く上手く歯を閉じれない」ことが度々あることに気付きました。
他のウニにも嚙み合わせが悪いときはありますが、ここまでガタガタなのは今の所確認していないので「コシダカウニ特有の症状」なのか?気になりますね。
ぜひ、隠れているコシダカウニと出会えましたら、管足の動きや美しい体色などを一緒に観察してみましょうね!
参考文献・使用音源
ウニハンドブック
田中颯・大作晃一・幸塚久典 著
風可&葉羽「MALINA」
作曲者の葉羽さんが書かれているブログはこちら
「コシダカウニによく起きるかみ合わせの成功例と失敗例」