こんにちは、なぎさひろい(@nagisahiroi)いのこです。
卵から育てていたバフンウニ達と親ウニに異変が起きたので記録を残します。
残念ながら、親バフンウニ1匹と稚ウニ達が全滅してしまいました。
(去年から生き延びてくれていた子達も…)
症状からすると「斑点症」を発症してしまったのではないかと思われます。
発症した姿と症状の変化
この子が発症してしまった親バフンウニ。
紫色の痣(あざ)や棘が変色をしていて異変が起きているのが目に見えて分かります。
(なんでもっと早く気付いてやれなかったんだろう…)
【変化① 】
水槽内の「壁にくっついていた子が反口面(背中側)を下にして落ちて水底に仰向けになっていた」ので元に戻しました。
【考察】
管足の吸着力が弱く感じた。
見た目の変化は見受けられなかった。
エサを与えて様子見。
【変化②】
エサのワカメを少ししか食べておらず、状態を確認するために「バフンウニを持ってみると細かい棘がポロポロと抜け落ちた」
【考察】
管足の吸着力はほぼ無いに等しい。
まだ紫色の痣(あざ)は見つけられなかった。
【変化③】変化②から2日後
棘が抜けてハゲている部分があり「紫色の痣」が広がっていた。
「口面(腹側)が特に酷く、口元が紫色でドス黒くなっていた」
【考察】
前回から2日経過していたこともあり、症状が一気に進んでいました。
ここで「斑点病」と確信。
治療方法を調べたり治療経験のある方に相談をしたりして薬を購入して治療を開始しましたが手遅れでした。
顕微鏡も使って観察してみました。
かなり痛々しい。
最後は全身の棘が抜け落ちて死んでしまいました。
(本当にごめん。)
それでもウニ殻は美しかった
死なせてしまった親バフンに塩素処理を施してウニ殻にしてみました。
全体に紫色の痣(あざ)が広がっていたにもかかわらず、ウニ殻自体はうつくしい。
うみで拾うウニ殻の中には「斑点症の名残と思われる紫色の痣がある」ものがありますので、同じくこの子も斑点症の名残が残ると思っていました。
ウニの歯「アリストテレスの提灯(らんたん)」も皮?の部分には斑点症の名残がありましたが、歯は真っ白できれいでした。
過酸化水素水を使って救った治療記録
症状が重症化してしまった親バフンは死なせてしまったのですが、「症状が重症化する前に治療を開始した」別の親バフンは救うことが出来ましたので、その方法をお伝えします。
ウニ学(著者 本川達雄)の13章「ウニの病気」に書かれている治療方法を試してみました。
●治療方法
過酸化水素を低濃度に希釈(300ppm)した海水に「5分間」浸して病原菌を殺菌する。
●300ppmについて
ppmは「mg/kg」と同じ計算で問題ないみたいなので「kg=L」と置き換えると「300㎎/L」になります。
治療の問題点と解決した方法
さて、治療方法を確認したので早速試してみようと思いきや、ここで問題点が。
(過酸化水素ってどこで手に入れるの?)
そこで、治療経験のある方に連絡をして相談をしてみると、僕のような一般人でも手に入るもの薬品では「オキシドール」が代用できるのではないかと。
スギ薬局などに売っていたものを購入しました。
成分を確認すると「過酸化水素」の表記が♪
(これで治療することができるぞ!)
なので、海水と過酸化水素を合わせた「過酸化水素水にウニを5分間浸して治療」を施しました。
現在1ヶ月以上経ちましたが、元気に動きワカメをモリモリ食べていますので無事に回復してくれたと考えています。
(いつ斑点症になるか分からないのでオキシドールは常備しておこう)
もし、飼育されているウニ達に異変を感じましたら治療してやってくださいね。
棘抜け症にも有効?
斑点症が発生したころにサンショウウニの棘が抜け落ちる異変が起きました。
(これが棘抜け症と呼ばれる病気なのかな?)
もしかしたら、サンショウウニも何かしらの病気を発症した可能性があると思い、念のため過酸化水素水に浸してみました。
この子も治療を施してからは棘が抜け落ちることが徐々に無くなり、現在は抜け落ちることなく過ごしています。
治療のお陰で解消されたのかは不明ですが、「低濃度の過酸化水素水に5分間ほどであれば生体に影響はない」と考えられていますので、異変が起きたときは四の五の言わずに治療をするのが先決だと思います。
(もっとウニの病気や治療方法についての情報が知りたいな。)
ウニについて気になった方へ
ウニの構造や各部名称(目・足・口・お尻の位置など)、管足や叉棘などの器官の使用用途や寄生する貝など、ウニのことについてまとめている図鑑記事です。