「生きているときの見た目や色が馬ふんに似ている」ことからバフンウニ(和名)と呼ばれるようになってしまった子…
でも、観察をすると「緑色の棘が美しくコロンとした体形をしている」かわいらしいウニなんです。
今回はそんなバフンウニについて書いてみました。
バフンウニの生態情報
分類
正形類
カマロドント目
オオバフンウニ科
学名
Hemicentrotus-pulcherrimus
(A.Agassiz, 1864)
大きさ(殻径)
~3cmほど
生息地・生息域・分布域
日本近海のみ
九州南端~本州北端
探すコツは「転石をめくる」
バフンウニは「転石下・裏・岩礁のすきまなど」暗くなっている場所に隠れていますので、転石をクルっとひっくり返してみると頻繁に出会うことができます!
運が良いとアカウニなど「暗がりを好む」他の仲間達も一緒に出会えることも。
バフンウニは密集していることもありますので、1匹と出会えましたら「周りの転石下や岩礁のすきまなど」も探して見るとゴロゴロと出会えるかも。
(おしくらまんじゅうしているみたい笑)
砂利をペタペタ埋まります
水底が砂利の場所で出会う子は、こんな風に管足を器用に使って砂利をペタペタと体表にくっつけて隠れていることがあるんですけど、この行動がすごいかわいいんですよ♪
動画で動きを観察してみよう♪
エサのワカメを食べつつ砂利で身を隠すことも忘れないバフンウニ。
(あぁもぅ…かわいすぎる…)
掃除機に吸われていくみたいにもぞもぞと砂利が集まっていく様子が癖(くせ)になって何回も見返しちゃいます笑
さらに、体表に貼り付けるだけではなく「砂利の中に少し潜って」隠れるような仕草もします。
転石裏に付着したり、転石下の砂利に半分ほど埋もれて生息する。
ウニハンドブック
田中颯・大作晃一・幸塚久典
念には念を。
石橋を叩いて渡るような性格の持ち主みたい。
寒い頃が繁殖シーズン
バフンウニは水温が低い時期(1月~3月頃)が繁殖シーズンと考えられています。
なので、バフンウニをよく見かける場所(越前海岸など)で4月頃に潜ると小さくてかわいい稚ウニ達がお出迎えしてくれます♪
(ダメだ…稚ウニがかわいすぎる!!!!)
エツキイワノカワにちょこんと乗るサクラダンゴウオもかわいいけれど稚ウニも負けてないね♪
(波に流されないように管足を使って踏ん張る姿が好き。)
大きさは2~3mmくらいかな。
もしかして斑点病(病気)?
転石下に隠れていたバフンウニに「何やら違和感」を感じたので観察してみました。
すると、棘が抜け落ちてしまった後が…
ひっくり返すと「口の周りが紫色」に変色しているような。
(やっぱり斑点病なのかなー?)
*斑点病の特徴*
1.棘が抜け落ちる。
2.紫色の痣(あざ)が出来る。
α.管足の吸着力が落ちる。
斑点病(ウニの病気)については下記の記事に詳しく書いてありますのでどうぞご覧ください。
貝類に寄生されることも
バフンウニは病気だけではなく貝類に寄生されていることもあります。
詳しくは下記の記事に書いてみましたのでどうぞご覧ください。
「ウニに寄生する貝類がいる!?」
「バフンウニ」ダイビングで出会えるウニ図鑑まとめ
今回お伝えしたかったこと
【バフンウニの生態情報】
分類、学名、大きさ(殻径)、生息地など
【出会うコツは「転石をめくる」】
クルっとめくれば頻繁に出会えます。
【砂利をペタペタ埋まります】
もぞもぞ動く砂利がかわいい♪
【もしかして斑点病(病気)】
見守ることしかできないのが切ない
ぜひ、バフンウニと出会いたいときは「転石をクルっとひっくり返したり岩礁のすきまなど」暗やみを探してみてくださいね。
バフンウニの幼生(赤ちゃん)
バフンウニの卵と精子を使って人工授精を行い、卵から育てています。
ウニの幼生が気になりましたら記事を覗いてみてくださいね。
参考文献
ウニハンドブック
田中颯・大作晃一・幸塚久典 著